博士は就職できない!?いや、しないというのもアリ!~大学に残れなくても研究者として生き残るフリーランスという戦略~(後編)

就職できないんじゃなくて、しないんです!博士がフリーランスとして生きる準備

 

さて、前編で紹介したような、任期が切れて大学にも民間にも就職できないような状況に陥らないようにするには、どうすればよいのでしょうか。それは、フリーランスとして生きる準備を、博士や任期付きの研究職の段階で覚悟しておくことです。もしこれができたら、昨今では大学に残るよりも研究の時間を確保できるということもあり得ます。だって、大学に残っても授業ばかりやらされたりするのだから…。場合によっては、非常勤のコマ数を減らしてでも、他の仕事をしておくということもいいかもしれません。実務家教員を増やそうという近年の大学の傾向の対策にもなりますしね。では、どうすればフリーランスで働く準備ができるのでしょうか。簡潔に見ていきましょう。

 

1.インターンを積極的に活用する
2.フリーランスとして働きやすい職種に応募しまくる
3.プログラミングを勉強して、形に残す

 

1.インターンを積極的に活用する

最近では、社会人インターンというのも増えてきました。インターンで調べると、たくさんの企業が出てくるので、自分がやりたいなと思うところに、片っ端から応募してみるとよいでしょう。何より企業で働いたことがあるという実績をつくることが重要です。就職にも有利になりますが、そこで一般的な仕事に対する考え方、方法などを理解することができます。場合によっては、アルバイトよりも時給が高いインターンで数年食いつなぐこともできます。30代職歴無しより、30代インターン経験ありの方が、インターンを募集している会社も採用しやすいはずです。正社員よりも時間に融通が利くので、非常勤講師をやりながらでも研究の時間を確保することができます。

 

2.フリーランスとして働きやすい職種に応募しまくる

 

次に述べるプログラマーもフリーランスとして働きやすいですが、ここではそれ以外のライターやイラストレーターなどを意味しています。特に研究者にとっては、ライターはある程度とっつきやすいかもしれません。在宅ライターを未経験で雇ってくれる会社はけっこうありますので、経験を積んでおくと、その後自由な働き方ができるかもしれません。自分で仕事をとってくるのが怖い!というフリーライターではなく、多数の企業と契約を結んで仕事をする契約ライターというポジションの方が、時間と収入が安定するでしょう。とにかく、フリーでやれる仕事の能力をはやいうちからつけることです。アフィリエイトで稼ぐという手もありますが、とにかく準備が必要です。

 

3.プログラミングを勉強して作品を形に残す

 

近年もっとも売り手市場なのが、IT関連です。研究者でもPythonを勉強し始めたという声は、あちこちで聞きます。しかし、ここで重要なのが、勉強の成果を形にすることです。「勉強したのでできます!」という言葉を、企業はあまり信じません。できれば、どこかでインターンを、それが無理ならば、サイトなり小さなアプリなりを自分で作っておくことです。形に残せたのなら、フリーでも働ける機会がかなり増えるでしょう。

 

以上、研究者が就職をせずに、研究をやめることもせずに、お金を稼ぐという方法を紹介してきました。これまでのように研究に時間を割くことが難しくなるかもしれませんが、研究は続けることができます。また、社会を知ることで、より面白い研究もできるようになるかもしれません。

 

博士でも就職しなくても、人生は終了させません!

 

ただ、ホンネを言うと、上で紹介したようなことをしなくても、研究だけで食べていきたいよということかもしれません。むしろ、文理関係なく、研究をする人がいなくなれば、この国は終わってしまいますし…。そこで最後に宣伝を少し入れさせてもらいます!

 

日本の研究者出版は、すこしでも研究者が研究を続けられるよう、高い印税を支払うと同時に、こちらで売る努力をすることを目的に立ち上がりました。論文を売るなんてこと難しいでしょ!と言われるかもしれません。しかし、われわれは、いずれにせよ市場に「知識をつくる」ことの価値を認めさせなければならない、と考えています。そしてそのために、論文を売らなければならないと感じています。それは、人々の知的レベルの向上に貢献すると共に、研究者が幸せに生きるためでもあります。もし、このような考え方に共感し、少しでも論文で利益を得たいという方は、是非お問い合わせください。

 

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